» ハーブの香りのティーラウンジ

ローマの風に溶けるジュニパーの香り

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ローマに降り立った瞬間、アオイは新しい人生の章をめくった気がした。幼い頃から憧れていた絵画を学ぶため、ついにこの永遠の都にたどり着いたのだ。しかし、現実は想像以上に厳しかった。言葉の壁、文化の違い、そして自分の才能への疑念が、彼女の心を揺さぶった。

最初の数か月、彼女は孤独と戦った。授業についていくのもやっとで、クラスメイトの会話に入る勇気もなかった。自分がここにいる意味を問い続ける日々。そんなとき、彼女の心を支えたのは、偶然見つけた小さなハーブショップだった。

ある午後、アオイは迷い込むようにその店に足を踏み入れた。店内にはさまざまなハーブが並び、優しい香りが漂っていた。店主のマルチェッロは、彼女の不安そうな表情を見て、静かに微笑んだ。「心を落ち着けるハーブティーを試してみてはどうかな?」そう言って手渡されたのは、ジュニパーベリーをベースにしたブレンドティーだった。

アオイは部屋に戻り、そのお茶を淹れた。湯気とともに立ち昇る香りに、心が少しだけ軽くなるのを感じた。カップを両手で包み込みながら、彼女はゆっくりと飲んだ。温かさが喉を通るたび、身体の奥深くにまで染み込んでいくようだった。

翌日から、アオイは毎日このハーブティーを飲むようになった。不安が消えたわけではないが、ほんの少し、自分を見つめ直す時間が持てるようになった。そして、それは彼女の絵にも変化をもたらした。ジュニパーベリーの香りを感じながら描くと、不思議と心が落ち着き、迷いが少なくなった。

ある日、授業中に教授がアオイの絵を見て言った。「君の絵には、深い静けさがあるね。まるで、自分自身を見つめ直しているようだ。」その言葉を聞いた瞬間、彼女は気づいた。ローマに来て以来、自分を否定し続けていたこと。恐怖や不安に支配され、足を止めていたこと。

その夜、アオイはマルチェッロの店を再び訪れた。「このお茶が、私の心を変えてくれました。」そう告げると、マルチェッロは頷いた。「ジュニパーベリーはね、人の奥深い部分に作用するんだ。恐怖や不安を和らげ、自分を見つめ直す力をくれる。」

アオイは静かに頷いた。彼女はもう、恐怖に縛られない。ジュニパーベリーの香りとともに、自分の心を深く理解し、前へ進む力を得たのだ。

その後、アオイの絵は次第に評価されるようになった。そして数年後、彼女はローマで個展を開くまでになった。オープニングの日、彼女は会場にそっとハーブティーを用意した。ジュニパーベリーの香りが広がる中、彼女は微笑んだ。

「人生も絵も、恐れずに描けばいい。」

そう心の中でつぶやきながら、アオイは静かに一口、ジュニパーティーを飲んだ。

物語から生まれた特別なブレンド

Blend Montly202410

ジュニパームーン

このハーブティーは、ジュニパーベリーの独特の風味と他の鎮静成分を組み合わせたもので、香りがよく効能もある心地よいブレンドです。 ジュニパーベリーは伝統的に、体を「解毒」し、健康的な消化と皮膚の健康を促 …