» ハーブの香りのティーラウンジ

冬の朝に咲く赤

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「この色を見ると、気持ちが落ち着くわね……」

冬の朝、静かなカフェのカウンターで、文枝は紅色のハーブティーをそっとカップに注いだ。ローズヒップとハイビスカスの鮮やかな赤に、ほのかに漂うオレンジの甘い香り。窓の外では、昨夜の雪が町を白く包み、朝の光をやわらかく反射している。

「本当に、綺麗な色ね。」

カウンターの向こうで、和子が湯気の立つカップを手に取り、優しく微笑んだ。

「そうでしょう?この紅色が、寒い朝にはちょうどいいのよ。気持ちがじんわり温まるの。」

「ええ。まるで朝日に照らされた冬のバラみたい。」

和子は静かに一口含み、目を細めた。

「うん、ローズヒップの酸味とハイビスカスの深み、それにオレンジの香りがほどよく混ざってる。体に染みるわね。」

「ビタミンCもたっぷりだから、風邪予防にもなるのよ。」文枝は微笑みながら言った。「あなた、最近忙しくしていたでしょう?ちょっと無理してるんじゃない?」

和子は小さく息をつき、カップを両手で包み込んだ。

「……仕事が立て込んでてね。年末だからって、あれこれ頼まれて、つい頑張っちゃうのよ。」

「昔からそうだったわね。頼まれると、つい引き受けてしまう。」

和子は苦笑しながら、カップの中の赤い液面を見つめた。

「そうね。でも、こうしてあなたとお茶を飲む時間があるから、なんとかやっていけるのかもしれないわ。」

文枝は静かに頷く。二人はもう何十年来の付き合いだ。若い頃は仕事に追われ、家庭のことで忙しくしながらも、互いに時間を見つけてはお茶を飲み、語らい、励まし合ってきた。

「こうして変わらずお茶を飲めるのが、一番幸せなことかもしれないわね。」文枝がしみじみと言った。

「本当にね。」和子はカップを持ち上げた。「このお茶を飲んでいると、なぜか肩の力が抜けるのよ。あなたの入れるお茶は、いつもそうだった。」

「お茶だけじゃないでしょう?」文枝はいたずらっぽく笑う。「あなたは、こうやって話す時間が好きなのよ。だから、何かあると私のところに来るの。」

和子はふっと笑い、小さく頷いた。

「そうね。あなたと話していると、焦っていたことも、些細なことで悩んでいたことも、なんだかどうでもよくなってくる。すぐに解決するわけじゃないけれど、こういう時間があるから、また頑張れるのかもしれない。」

文枝は静かにティーポットを持ち上げ、二人のカップにもう一杯、紅いお茶を注いだ。

「じゃあ、もう少し話していきましょうか。時間はたっぷりあるのだから。」

和子はゆっくりと頷いた。

カップの中の紅い水面が、朝の光を受けて静かに輝いていた。

物語から生まれた特別なブレンド

Blend rosehibiorange

ローズヒップ+ハイビスカス+オレンジブレンド (バイオダイナミック有機)

「ローズヒップ+ハイビスカス+オレンジブレンド」は、自然の恵みが詰まった、華やかな赤いハーブティー。 バイオダイナミック有機栽培で育てられたローズヒップ、ハイビスカス、オレンジのブレンドが、心と体を優 …