この小さな物語は、ハーバルティーを一口ずつ飲みながら、お楽しみいただけるラウンジ(ブログ)です。
今回は、シリーズです。これまでに出会った人のお話しです。
第1章 / 第2章 / 第3章 / 第4章 / 第5章 / 第6章
インスタグラムで知り合ったジーナが、近くにいると知り、会いに行きました。ジーナは、いつも素敵なお茶とそれを楽しむ人々の写真で楽しそうでした。
庭園に花が咲き乱れ、コミュニティ精神が栄える魅力的なイタリアの小さな町、ピエドモントのネイヴェ。
彼女は、既に50歳を過ぎていましたが、最近、祖母の愛するティーショップを受け継いだのです。この居心地の良い店は、何世代にもわたって地元の人々の心を温めてきた特製のルイボスとローズのハーブティーブレンドで知られ、長い間コミュニティの礎となってきました。
私は、ジーナの作ったルイボスとローズのハーブティーを、一口ひとくち飲みながら、ジーナの語った記憶のページをめくりました。
ジーナにとって故郷への帰還はほろ苦いものでした。祖母が亡くなってから初めてティーショップに足を踏み入れると、たくさんの思い出が押し寄せてきました。ハーブの懐かしい香りが彼女を包み込み、祖母のそばで過ごした数え切れないほどの午後へと連れ戻しました。
ジーナは重い気持ちながらも決然とした精神で、今や自分の店となった店内を探検し始めました。彼女の指は使い古された木製のカウンタートップに沿って動き、棚に並ぶ年代物のティーキャニスターにゆっくりと触れました。奥の部屋で、彼女は祖母の遺品の宝庫を発見してしまいました。色あせたインクで丁寧に書かれた古いレシピや、店の有名なルイボスとローズのティーブレンドの歴史を記録した愛用の日記帳。
ジーナが日記をめくると、鮮明な記憶が蘇ります。
ジーナが子供の頃、祖母と一緒に豪華なティーパーティーを開きました。代々何百年も受け継いできた最高級の陶磁器を使い、新しいブレンドを試飲した晴れた日の午後を思い出します。幼い孫娘に「香りのお茶」を注ぐ祖母のきらきらした目を思い出すと、ジーナの顔に笑顔が浮かびます。
お茶の芸術を学ぶ完璧な一杯を淹れるための複雑な手順を祖母が辛抱強く教えてくれた思い出がジーナの心に浮かびます。お湯の温度と抽出時間の重要性を説明する祖母の優しい声が聞こえてきそうです。
ジーナは、地域のイベントの期間中、店が活気にあふれていたことを覚えています。その中心には祖母がいて、有名なルイボスとローズのブレンドを温かい笑顔と優しい言葉で提供していました。
思い出がよみがえるにつれ、ジーナは自分が受け継いだのは単なるティーショップではないことに気づきます。彼女は、温かさ、コミュニティ、そして完璧に淹れた一杯のお茶の中に感じられる魔法という遺産を託されたのです。新たな目的を持って、彼女は祖母の思い出を称えながら、自分のお店にする方法を思い描き始めます。